こんにちは。
東京・吉祥寺を拠点に全国各地へ家族写真や、ウェディングフォトの出張撮影を手がけている、bozphoto & styles です。
ハワイと言えば日本人にとっても海外挙式の場所として世界で一番人気の場所。 私達にニューボーンフォト撮影のご依頼されるご夫婦に聞くと、3割くらいの方はハワイ挙式だったと答えています。
今回ご紹介させていただくのは、日本人カップルがよく利用されるホテルやチャペルでの結婚式ではなく、地元にお住まいの Mayuさんと Doug さんからのご依頼による、まさにハワイアンな結婚式からのエピソード。
全ては手作りで、新郎新婦さんを始め、ご友人の皆様で造りあげられた、まさにオリジナルなウェディングでした。
※こちらの記事は2019年に書いた物ですが、多数のアクセスを頂いていたので、改めて文章を追加して書き直しをさせていただきました。
ヘエイア州立公園での結婚式
結婚式の舞台となったのは、ワイキキから車で約30分ほど北にドライブした場所にある、Heʻeia State Park(ヘエイア州立公園)。
オアフ島の東海岸にある「ヘエイア」は海と山に囲まれた住宅地。
観光地という訳ではないので日本語のハワイガイドでもほとんど登場しない場所ですが、古代ハワイアンの神殿もあった聖地でもあり、600年の歴史を持つ養魚池に隣合った場所です。
丁寧に整備された芝生と、ヤシの木や多数の南国の木々に囲まれた落ち着いた雰囲気。高台にある公園からは海を見渡す事が出来ます。
こんなに綺麗な場所なのに、あまり人も来ないらしく、ホノルルの雑踏を忘れてノンビリ出来そう。
そんな場所にあるレンタル施設が今回の会場となりました。
アメリカの結婚式は手作りが主流
日本ではホテルなどいわゆる「結婚式場」と言われる場所で式と披露宴を行い、ドレスの手配、ケーキ、会場の飾り付けや演出、カメラマンに至ってまで全て式場を通して手配出来るようになっています。
逆に、アメリカの結婚式では日本のように全てを同じ窓口で手配出来るシステムという物がありません。 全て個別に手配する事になります。
日本のようにウェディングプランナーさんがいて、色々と提案はしてくれますが。
その代わり、自分達で好きな形に造りあげる事が出来ます。 あと、お金を節約するという事もあり、手作りにする傾向があります。
ブライズメイドの役割
日本でも「ブライズメイド」が流行り始めました。 新婦の友人達5〜6人位が同じドレスを着て、結婚式の際などに一緒に入場するのは華やかですよね。 でも、ブライズメイドの本来の役割は、手作り結婚式の際、協力してくれる仲間達って感じです。
大抵、ブライズメイドの皆さんは前日のお昼には現地入りして、夕方には会場下見と、打ち合わせなどをみんなで行います。まるで文化祭前夜のように。
当日はゲストがやってくる4時間前から会場入りして、テーブルセッティングからお手伝いします。 まさに、みんなで造りあげる結婚式♪
写真の右奥にいるのは新郎さん。 女性はテーブル関係のお洒落関係のセッティングを、男性は照明など力仕事系をと、役割分担があるみたい。
テーブルクロスから全て、自分達で手配
テーブルクロスも、装飾も、お皿もナイフもフォークも全て、自分達でホームセンターなどに行って人数分を手配しました。 イスとテーブルは会場にもある程度の用意がありましたが、足りない分はイベント屋さんに手配してもらったみたい。
会場装花としてのパイナップルは、実は新郎新婦がこの日の朝、ノースショア近くにある「ドール・プランテーション」から購入してきた物。披露宴後にそのまま、引き出物の一つとして配られていました♪
ヘアメイクとして同行した我がmakkyさんも手作り結婚式ではお手伝いを。
得意のチョークアートで、会場のウェルカムボードを一生懸命書き上げておりました。
アメリカの結婚式は時間もゆったり
アメリカでは5分前行動という言葉はありません。 どちらかというと、5分遅れてきてくれたら奇跡。結婚式の準備でも、皆さん約束の時間には集まってきません。
アメリカでの結婚式をこれまでに5回ほど体験した私は、オンタイムに到着しても待たされると思い、とりあえず約束の15分遅れで到着したら、案の定一番乗りでしたw
それから待つ事30分ほど。 やっとブライズメイドが二人(6人中)が到着。
肝心の新郎新婦がたどり着いたのは、定刻から80分経った時でした。
まさにハワイアンタイム! ですね。
約束していた業者さんまで、30分遅れで来たのは、オイオイでしたが。
2時間半かけて会場セッティングを終えたら、車で10分ほどの友人宅に移動。 ゲスト対応はブライズメイドとアッシャーの皆さんの任せて、新郎新婦はお支度を行いました。
ランチ休憩もしながら、ノンビリしながらのお支度。
アメリカの結婚式は一日がかり。
午前中は会場準備、お昼休憩をはさんでヘアメイクなどのお支度。
夕日が綺麗になる時間くらいにセレモニー。
日が落ちてから披露宴、となんとなく流れが決まっています。
日本の結婚式カメラマンの撮影時間は大体6〜7時間くらい。このハワイでの結婚式の撮影は9時〜夜9時までの12時間でした!
お母様の形見のウェディングドレス
新婦 Mayuさんのウェディングドレスは、彼女のお母様が日本舞踊をしていた時の着物の生地。
お母様は結婚式の一年前に残念ながら他界されました。
そこで、お母様の形見でもある着物を、新郎さんがこの日の為にリメイクしてくれました。
お花の柄がハワイっぽくもあって、まるでこの日の為に作られたかのようでした。
お支度も終えて、それぞれの衣装で結婚式場に向かいます。
アメリカの結婚式ではカメラマンがプランナーにもなる?!
makkyさんが書いたウェルカムボードを見ながら、アメリカでの結婚式の小ネタを一つ。
アメリカで、アメリカ人の結婚式を(この日も含めて)6回ほど撮影させていただいた経験がある私。 フォトグラファーは当日の全てを記録するだけでなく、ちょっとした現場監督というか、プラニングにも関わる事が基本でした。
手作りが基本の結婚式の分、手探り状態で準備する部分もある新郎新婦さん。 でも、最後に残るのは写真なので、どうやったら写真映えするかについて、細かくアドバイスは求められました。
例えば
ゲストとの記念写真や二人のポーズ写真を満足いくだけ残すには、結婚式と披露宴の時間をどのくらい空けたほうがよいか
新郎新婦の入場シーン、どの場所からどの方向に歩いてくるべきか
結婚式の流れについて
披露宴会場の高砂はどんな作りだったらゲストと関わり合いやすいか
会場の明るさや照明のセッティングについて
などなど
けっこう細かく相談させていただきました。
さて、待ちに待った結婚式。
新郎の親戚の一人のウクレレの演奏と共に新郎新婦が入場します。
アメリカの結婚式では「司祭者」が担当
新婦の登場を待ち構える新郎さんと彼の兄弟、そして奥にいるのがお兄さんの奥様。
今回の結婚式で「司祭者」の役割をしています。
「司祭者」といのは、結婚式の牧師/神父さんと、司会者を兼ねたような役割の方。
そうそう、日本では区役所に婚姻届とその他、付随書類を提出すれば婚姻手続きは完了。それで結婚が成立するので、結婚式はやってもやらなくても、どちらでもOKですよね。
一方、アメリカの場合は役所で結婚証明書を取得して、その後、挙式資格のある「司祭者」の前で結婚を宣言して、署名をしてもらいます。
この「司祭者」は牧師さんなどキリスト教でなくても、一般の方でも資格さえ取得すればなれるです。そして今回の結婚式。 新郎の親戚の方が新郎新婦を祝福してあげたいということで、この日の為に司祭者の資格をとってくれたのでした♪
フラワーガールというよりも、フラワーベイビーちゃん達♪
彼女たちが花びらをちりばめながら、新婦入場の道を作ります。
新婦はお姉様にエスコートされて入場です。
そして新郎さんにバトンが渡されて、改めて結婚式のスタート。
それにしても新郎さん、ダンディー過ぎる!
結婚式は日本でいういわゆる「人前式」の形で行われました。
キリスト教も多いアメリカですが、実は教会での結婚式が行われる事は意外に少ないです。
なぜかというと、キリスト教、特にプロテスタントは宗派が無数にあり、教会式を執り行うには夫婦二人共同じ信徒である必用があるのです。
どうしても教会で結婚式を挙げたい場合は...
・新郎新婦どちらかがその教会で祝福を受けている
・もう片方がその教会で何度かの講義を受け、誓いを立てる
事により始めてその教会で結婚式を行う事が許されます。
信者で無くてもどの教会、神社、お寺でも結婚式を挙げる事が出来る日本と違って厳格ですよね。
ですので、宗教的な問題を取り除いた、お互いに誓いの言葉を伝え合うシンプルな結婚式の流れがアメリカでは多いです。
それにしてもハワイの海が一望出来る高台での結婚式。風景だけでもほんとうに贅沢です♪
指輪交換の儀式、そして誓いのキスと続きます。
リングボーイも小さな、まだ1歳にならない位のお子さん。
リングベイビーですね。
小さなゲストも沢山いて、本当に可愛らしかったです。
結婚式の最後はハグの嵐
さて、無事に結婚式が終わりました。
と、ここで気を抜くことは出来ません。
セレモニーが終わった瞬間、アメリカの結婚式で始まるのはハグの嵐。
新郎新婦退場の前にまずは司祭者さんや両親とハグ。 それからお友達共ともハグ。 お世話になった皆さんとひたすらハグとキスが始まります。
「事前に退場してからハグを始めてね」と伝えておいても、感極まった二人には「そんなの忘れてた」って感じ。
突然始まるのでビビりますw
結婚式の後は長い時間をかけて記念写真タイム
日本の結婚式ではメジャーになっている、ゲスト席を新郎新婦が訪問しての「各卓フォト」というのはアメリカにはありません。 披露宴はあくまでも、ゲストとゆっくりと食事を楽しむ時間、という考えがあるみたいで。
ですので、ゲストとの記念写真は挙式直後に設けられます。
そして、シンプルに全員集合写真と親族だけ、のような形ではなく、とにかく沢山撮ります。
両親と一緒に
両家家族
新郎側の兄弟だけ
高校時代の友人
長年の友人と一緒に
長年の友人にその奥さん達も入れたバージョン
などなど、むっちゃバリエーション多し。
この日は合計で25バリエーション撮りました。
最近は日本のホテルなどでの国際結婚も増えましたが、それで一番揉めるのはこれ。慣例のように式後の集合写真は5分以内でとか言われると、親戚も含めて皆さん、ぶち切られますw 何度かそのトラブルを新婦さんに相談されて、ホテルのプランナーさんに海外事情を説明したことも。
国際結婚の場合は、挙式後から披露宴スタートまでは一時間くらいを設けて、ゆっくりと記念写真を撮ってあげるようにしましょう。
新郎新婦の撮影タイムは披露宴前にゆったりと
さて、無事に結婚式が終わると、新郎新婦だけを連れ出しての写真タイムとなります。
日本の結婚式では会場での写真タイムは挙式前に行われる事が多いのですが、アメリカ的にはそれってジンクス的に良く無いみたい。
結婚式まで新郎は、花嫁姿は見てはいけない、と厳格なルールを設けているご家族もいるくらいですから。
でも、挙式後に二人の写真タイムって実は理にかなっていると思います。 お支度が終わったばかりの新郎新婦はまだ緊張でガチガチ。 式が無事に行われるか気になって、写真撮影どころじゃないことも。
でも挙式後だったら、興奮冷めやらぬ状態なので意外にリラックスした表情を見せてくれます。
そして当日のスケジュールも二人の撮影タイムに合わせて組まれました。
結婚式がスタートしたのは16時。
二人だけの撮影タイムはその後、17時頃からスタート。
ちょうど夕日が一番綺麗になる時間帯です。
二人の写真はベストなタイミングで残しておきたいということで、この流れも相談させて頂きました。
で、その間ゲストはどうしているの?
日本だと、ゲストを長時間待たせるなんて失礼って思われるかもしれませんが、アメリカでは「まあ、みんな勝手に楽しんでくれるでしょう」ってスタンスですw
実際、披露宴スタートまで皆さん、立ち飲みパーティーをして、夕日も眺めながらノンビリと過ごしていたようです。
さてさて、ここから披露宴がスタートします。
しかし、ちょっと長くなってきましたのでいったん休憩に。
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bozphoto & styles はカメラマンの Tsutomu と、ヘアメイク/着付け師/etc を手がける妻のmakky、そしてシュナウザーの三人で運営している小さな写真事務所です。 吉祥寺を拠点に全国各地へ結婚式やフォトウェディング、家族写真などの撮影を15年に渡り手がけています。
写真の基礎はアメリカ時代に培ってきた報道写真から。ドキュメンタリーな写真を得意としています。
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