富士山と紅葉に囲まれて──河口湖でプロポーズ撮影
- Tsutomu
- 5月6日
- 読了時間: 4分

昨年の秋、コロラド州デンバーから日本旅行に訪れていたカップルから、ある特別な依頼をいただきました。
「日本滞在中に、5年間付き合ってきた彼女にプロポーズをしたい。紅葉の美しい河口湖で、その瞬間を写真に残してほしい。」
もちろん、彼女にはサプライズ。彼は「ただの旅の記念に、カップルフォトを撮ろう」とだけ伝えており、私たちは何気ない撮影を装いながら計画を進めました。
撮影は秋らしい風景が広がる美しいモミジトンネルからスタート

まずはリラックスした雰囲気を大切にしながら、紅葉に囲まれた数カ所でカップルフォトを撮影。
ただ、紅葉シーズン真っ盛りの河口湖では、人気の「もみじ回廊」が観光客でごった返していました。
10年以上、さまざまな季節とロケーションで撮影をしてきた私たち。河口湖周辺には、あまり知られていないけれど、地元の人たちに愛される美しい場所が点在しています。この日もそんな“穴場スポット”のひとつへ、こっそりふたりをご案内しました。

次に訪れたのは、河口湖で特に人気の高い「大石公園」。(まあ…一番は「新倉山浅間公園」かもしれませんが笑)
とはいえ、富士山と湖と花畑の景色が一度に楽しめる、まさに“ザ・河口湖”な場所。おふたりからのリクエストもあり、ここでも撮影を行いました。
ただ、観光客の多さは想像以上。もともとプロポーズの場所候補としても考えていたのですが、恥ずかしがり屋のおふたりにはちょっとハードルが高そう。
さらにこの時点では富士山も厚い雲に隠れていて、残念ながら姿が見えず…。

そこで気持ちを切り替えて、まずは富士山が写らなくても絵になるポートレートを中心に撮影。
プロポーズはまた別の場所で、雰囲気のいいタイミングに行うことにしました。
撮影しつつ、実はアプリで雲の動きもチェックしていた私。
あと10分ー15分くらいで富士山に被っている雲はなくなりそうな予報が出てきました。
絶好のタイミングを狙ってプロポーズのサインを

そして、撮影の終盤。雲がようやく動きはじめ、ついに富士山が姿を現してくれました。
これはチャンス!と、事前にチェックしていた絶景ポイントへご案内。ふたりにとっても、ほかの人の視線を気にせず過ごせる落ち着いたロケーションです。
私から準備OKのサインを送り、ついにその瞬間が訪れました。彼はゆっくりとポケットからリングを取り出し、彼女の前にひざまずきます。

驚きと喜びに満ちた彼女の表情、思わず目を潤ませたその瞬間を、私はファインダー越しにしっかりと見届けました。
プロポーズのあとは、富士山を背景に、ふたりの笑顔あふれるポートレートをいくつも撮影。河口湖の紅葉と富士山、そしてこの日の想いがひとつになったような、忘れられない時間となりました。

プロポーズのあと、撮影はここで終了……の予定だったのですが、ちょうど夕陽と富士山がとても美しくなってきたタイミング。
ふたりから「この景色を眺めながら、どこかでお祝いの一杯を飲みたい」とのリクエストがあり、Googleマップでよさそうなバーを見つけて車でご案内することに。
あいにくバーは定休日でしたが(笑)、そこから見えた富士山の景色はこの日一番の美しさ。
静かに染まる空と、ドラマチックな富士山のシルエットを背景に、ふたりの新たな一歩を記念する最高の一枚が撮れました。
【bozphoto & stylesについて】
bozphoto & stylesは、日常のかけがえのない瞬間から、特別なウェディングの日まで。自然な感情やストーリーを大切に、写真に写しとることを目指しているフォトグラファーチームです。
おふたりらしさがふっとにじみ出るような、そんなリラックスした時間を一緒に作りながら、心に残る一日を丁寧に撮影していきます。井の頭公園での和装撮影も、四季や光を感じながら、世界にひとつだけの物語を形にします。
写真に残したい想いがある方、ぜひお気軽にお問い合わせください。
Comments