Youは何しに日本へ?
彼女にサプライズで永遠の誓いをしたいので、そのお手伝いをして欲しい!
そんなご依頼をインバウンドの皆さんから定期的に頂く私達、bozphoto & styles。
東京タワーや桜満開の新宿御苑、夕方の浅草寺や東京駅などなど、二人にとって理想の場所から詳しく、ご相談させていただいてます。
8月始めの撮影の為にお問い合わせを頂いたのは、カナダはモントリオール出身のフェリックスさん。 鹿児島から始まる3週間もの日本横断旅行の終盤、富士山を背景に8年間付き合った彼女に婚約の言葉を告げたいとのリクエストでした。
フェリックスさんに富士山でプロポーズをするのであればどこが良いか訪ねられて、一番最初に思いついたのは河口湖の長崎公園。案内板も何も無くて、どこが公園なのかもよく分からない場所で、観光客もほとんど来ないけれど、実は富士山の穴場的ビュースポット。ウェディングフォトでも良く訪問しています。
プロポーズ撮影にも2種類あって、一時間ほど二人のエンゲージメントフォト(私服でのデート的撮影)を行った後に、理想の場所にたどり着いた時に指輪をポン! の形が一つ。
こちらはプロポーズの場所やアングル、タイミングまで私のほうでコントロール出来るので、良い感じで写真を残されたい方にはオススメしています。
もう一つはカメラマンを依頼している事自体が内緒で、プロポーズの瞬間まで私は遠くから二人を狙うパターン。 これが中々難しい。 人が多い場所だと通行人に邪魔される可能性が高いし、二人の立ち位置も指示出来ないので、例えば東京タワーを背景にプロポーズのつもりが、ちょうど背景がイマイチの場所でサプライズが始まったりで、カメラマン泣かせだったりします。
でも、内緒でのパターンのほうがご依頼的には多いのですよね、実際。
そこで思いついたのが、ストリートフォトグラファーのフリをするやり方!
最近、TikTok や インスタのリールで、
「ストリートフォトを撮っているんですが、素敵な貴方を撮らせてくれませんか?」
って道ばたでカップルや変わった人に声をかけて、写真を撮るって投稿、最近よく見かけませんか?
そんな感じで二人に声をかけて、まずは数枚だけ何でも無い写真を撮ります。
ココだ!って場所まで二人を連れて行って、アングル的に完璧になったら
「今こそ、チャンスだよ」って彼に合図を出すのです。
今回もそんな感じでフェリックスさんとは綿密に打ち合わせをして、当日を迎える事になりました。
そして撮影日当日。
数日前に台風が来てましたが、この日は台風一過で朝から東京も山梨県も晴れ模様。
天気予報も「一日問題ありません!」の表示でした。
しかーし、約束の30分前に公園に到着し、プロポーズと、その後のフォトセッションのスポットを下調べしていたら、突然現れたどんよりした雲。 数分と立たないうちに辺り一面はバケツをひっくり返したかのような土砂降りとなってしまいました。
なんてこった!
二人は河口湖から30分かけてバスで長崎公園に訪れる予定でしたが、到着しても雨宿り場所は皆無。 もし雨が止んだとしても、周辺はずぶ濡れで、プロポーズでは定番のひざまずきポーズも難しそうでした。
そこで彼にメッセージ。
「雨でこの公園では撮影も出来そうに無いから、大石公園に変更しましょう! 乗ってるバスを終点まで行けばOKです」
との指示を出しました。
私は一足先に大石公園にまで車で行き、プロポーズに良さそうなスポットを探す事に。
あいにくの雨で肝心の富士山は雲隠れしてしまいましたが、90種類以上、四季折々の花々を楽しめるエリアもあるこの公園。
バスを降りたらそのスポットにまで向かうよう、彼に伝えました。
二人が乗っていたバスは交通渋滞により、本来の予定よりも20分以上延滞して到着。でも、そのおかげで、撮影スポットを探すのに十分な時間を取る事が出来ました。 そして更に運が良かったのが、そのタイミングで雨がピタリと止んだ事。 道路状況も空気を読んでくれたのかも!
公園前の売店辺りで二人らしき人を見つけて近づいて行くと、フェリックスさんも私の存在に気がついたらしく、こちらに向かって軽くウィンクしてくれました。
そこで、撮影スポットへの行き方を説明した、最終的なメッセージを彼に送信。スマホで彼女の写真を撮りつつ、私からのテキストもチェックしていた様子でした。 しっかし、撮った写真を見せてとせがんでいた彼女。 そのタイミングでメッセージがポップアップしないよね、とちょっと焦りました。
紹介した場所に二人が近づいた時点で、私の方から二人へお声がけ。
例のストリートフォトグラファー的に「写真を撮らせてくれない?」って聞いていたら、
彼女も No problem! って答えてくれました。
そして、運命の瞬間。
二人に背中向き合わせのポーズを作ってほしいと頼み、そのタイミングで私の帽子をさっと脱ぎました。それが「ここで指輪出してね」と彼と事前に決めていた合図。
ポケットからガサガサと指輪ケースを取り出して、彼女に「振り向いて」と声をかけたフェリックスさん。
指輪を見た瞬間、何が起きたのかをすぐに察知した彼女。 すぐに号泣。
Yes, Yes, Yes,
そんな彼女の声が聞こえてきました。
二人が大石公園に辿り着いた瞬間にやんだ雨。
でも、プロポーズのタイミングで、ほんの1-2分だけもう一度降り注いだ小雨。それが二人を祝福してくれたかのようなタイミングで、写真までドラマチックに仕上げてくれました♪
そこからは一時間ほど、二人の記念のフォトセッションをお花畑で。
あいにくの富士山は見えませんでしたが、案内してあげた植物園スペースに二人もとっても満足してくれていた様子。 そのまま公園の隣にある「ハナテラス」というお洒落ショッピングエリアへ。 雨上がりのお散歩しながらの、爽やか撮影タイムを過ごしました。
そして撮影も終わりの時間となったころ、河口湖を眺めてみると、どんよりと空を覆っていた雲が移動して、富士山がくっきりと見えるじゃないですか! チャンス、とばかりにプロポーズの写真をもう一度再現。 そして、元々の撮影場所だった長崎公園にも訪れて、富士山のベストビューでも撮影。
撮影を終えて二人のホテルに向かうタイミングで富士山は再び雲隠れ。 なんとも全てがタイミング良く、そしてドラマチックに進んでいったこの日の撮影でした。
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