一眼レフのカメラを持ち始めて、本格的に写真を撮り始めてから約20年。
その間位に、沢山のカメラを渡り歩いて来ました。
一番最初に手にとったカメラは(コンパクトカメラを除く)、ペンタックスの K1000 という、
全てマニュアル操作のカメラと、50mm のレンズでした。
それから Nikon N90 を購入してから本格的に写真の仕事をはじめました。
一度勤務先の関係で Canon に浮気したあとに Nikon に戻り,
今は Sony のカメラをメインに使っています。
その間に Leica M9や Olympus Pen などもちょっと使う機会もありました。
そしてつい先日、富士フィルムさんから最新のカメラ、X-T3 をお借りする機会をいただきました。
一緒についてきたのは 23mm f1.4 と 35mm f1.4、
フルサイズ換算すると 35mm と 50mm の画角です。
オートフォーカスは Sony のほうがやっぱり早いというのは昔から聞いていたので、
ニューボーンフォトでどれだけ使えるか、試してみるためレンタルでした。
でも、コンパクトですし、仕上がりの色がきれいという話を昔から聞いていたので、
その部分も試してみたくて、桜が開花しはじめた井の頭公園へお散歩
(弊社アトリエから徒歩1分なのです!)
夕暮れ時のストリートフォトを撮影してみました。
まだ二日間、ニューボーンフォトとストリートしか撮影していませんが、
感想としては「オススメ出来る良いカメラ!」だと思います。
これからプロのフォトグラファーを目指す人から「どのカメラを購入するべきですか?」
と質問される機会が多いですが、
今までは Sony を使っていた頃もあり、Sony でしょ! って答えていました。
でも、X-T3を使ってみて、これからはこのカメラをオススメしようかなって思いました!
とりあえず、数日間使ってみて良いと思った頃、Sony と比べてちょっと惜しいと思ったところ、
それぞれならべてみます。
【このカメラの良いと思ったところ】
・軽くて小さいのにグリップ感が良い!
センサーが APS-C ということもあり、カメラもレンズもコンパクトで楽。
Sony と Fuji ってカメラの大きさは同じ位ですが、Sony は握ると小指が余って安定感が無いのに対して、
Fuji のほうは 少しだけ下までが長いからなのか、小指までしっかり握る事が出来ます。
お話指部分のグリップが飛び出しているので、ひっかけて握りやすくなっているのも goodです。
あとレンズ!
一番良く使う Sony 35mm f1.4 は大型ズームレンズと同じ位の大きさ、重さがあるので、
お散歩に持っていくのはとってもおっくうなのですが、
フジのレンズは同じ f1.4 でも、sony の f2.8 レンズとほとんど変わらない位コンパクト。
お散歩カメラとしても良い感じです。
・ISOダイヤルが便利。
好き嫌いが分かれるFuji のクラシックカメラ的なデザイン。
シャッタースピードのダイヤルは個人的には昔ながらのダイヤル式じゃなくて、
Sony とか Nikon みたいにコマンドダイヤルのほうが楽です。
でも、ISO に関してはそれほど頻繁に変更する物じゃないし、
数字が見えるから、感覚的にどこまで回せばよいか分かって使いやすい。
回す時の絶妙な硬さ/柔らかさもいいよね。
・絶妙な色加減
シャッターを押して、背面モニターに出てくる写真を見るだけで
「これだよねー、って思える噂通りの富士フィルムの色の良さを感じさせてくれます。
個人的には Astia の色が好き。
ふんわりしていて、昔フィルムを使っていた頃の写真の味わいを思い出します。
夕日が落ちた直後、薄暗い時間帯の色合いはとても味わい深いです。
・メニューがわかりやすい
悪評高いSony のメニュー画面。
それと比べると、Fuji のはなんてわかりやすくて、設定したい部分に楽にたどり着けるか。
・操作が感覚的に出来て使いやすい
良くも悪くも、クラシックなデザインはすぐに使い始める事が出来るのも良いですね。
Sony はボタンが多すぎて、説明書を読みふけってそれぞれの意味をチェックしてカスタム作業するのに、
使い始めの一時間はかかります。
Fujiはほぼディフォルト設定でもOK。
・AFは意外と早い。
ミラーレスに乗り換える時、X-T2にするか、Sony にするか迷っていて、フジのほうはAFがイマイチなので辞めた覚えがありますが、
先代よりもAFはかなり優秀になりました。
昔の Nikon レンズみたいに、AFの時にジーコジーコ言うのがきになりますが、
スピードは問題無い感じ。
eye フォーカスに関してはSony と比べても問題無いレベルまで行きましたが、on/off タイプなのがイマイチ。
on にするとファインダーに顔が入ったらずっと目を追いかけるタイプだけど、
そうじゃなくて、Sony みたいに必要な時だけ起動してくれる形のほうが助かります。
・アイピースが外れにくい
これ、地味な事だけど嬉しい。
Nikon も Canon も Sony も、ビューファインダーのアイピース、気がついたら無くなっている事、すっごく多いんですよ。
Sony のアイピースなんて何度なくした事か。
付け替えて2週間でまた無くなったので、もう諦めましたw
【残念な点、改善点、など】
・親指AF可動用のボタンの位置がイマイチ
AFを可動させる際、シャッターボタン半押しではなく、AF-0n 等を使用している私。
(それに関しては、別のエントリーで詳しく説明します)
それに当てはめる事が出来るボタンが2つありますが、どちらも中途半端。
AF-L のほうだと右過ぎて、ずっと使っていると親指がつりそうになります。
対して、AE-L のほうだと左すぎてちょっと遠い。
背面のコマンドダイヤルの位置がベストです。
Sony はコマンドダイヤルが上にあって、その下にちょっとずらして AF-on と AE-L のボタンがあるから、
どっちもちょうどいい位置なんですよね。
・背面のコマンドダイヤルと、露出補正ダイヤルがとても回しにくい
フジの背面ダイヤルははっきり言って、今まで使ってきた色々なデジカメの中で一番回しにくいです。
なんというか、とにかくうまく回らない。絡まない感じ。
前部分のコマンドダイヤルは逆にとっても回しやすいのに、なぜ?
ですので、前部分のコマンドダイヤルはシャッタースピード用にして、
背面のダイヤルはほぼ使ってません。
あと、露出補正ダイヤルね。
最近 ISO Autoで撮影することが多くなったので、その時に必要な露出補正ダイヤル。
以外と頻繁に回す機会があるのですが、Sony と違ってダイヤルが中に入り込んでいるので、
親指だけでグリグリ回すことが出来ない。
いちいち指二本で回す必要があるので面倒です。
幸い、露出補正は背面コマンドダイヤルへ登録出来るので、そうしました。
(ただ、上記したように、回りにくいですが)
・電池の持ちがどうにもこうにも悪い。
びっくりするくらい電池がすぐに無くなります。
500枚位撮れればいいほう。カメラのパフォーマンスが良くなるブーストモードにすると、
更に電池の持ちは悪くなります。
ウェディング撮影にこのカメラを持っていくとしたら、8-10個は持ってこないと不安かも。
そんな感じです。
ウェディング当日のようにバタバタしている撮影だと、やっぱり Sony かなあ。
でも、ゆっくりと撮影出来る前撮りやニューボーンフォトだったら、 Fuji で良いかも。
APS-Cサイズってボケないのが欠点って言われるけど、
その分マクロレンズ並に接写も出来るから、赤ちゃんの撮影だと持ち込むレンズが一つ減って楽かも。
次回は、ニューボーンフォト撮影からの感想もかいてみます!